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楽天トラベルトップ > FINDING JAPAN & ME ココロが動く、を探しに行こう > #15 ぬくもりをくれたのは、あたたかいお湯と、あたたかいひと。

FINDING JAPAN & ME  ココロが動く、を探しに行こう

日々の忙しさや悩み事を、お湯に流してほっと一息。別府や湯布院も良いけれど、目を閉じると、虫や風の音だけ聞こえるような穏やかな湯の街が、大分にはたくさんあります。難しいことは考えず、ただただ、秋のにおいと、ひとのぬくもりを感じる旅へ出かけませんか。

photo by Nobuyuki Kobayashi , realization & text by Rika Hiro

#15 ぬくもりをくれたのは、あたたかいお湯と、あたたかいひと。秋が薫りはじめた大分へ、ココロ癒される湯巡りの旅

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日々の忙しさや悩み事を、お湯に流してほっと一息。別府や湯布院も良いけれど、目を閉じると、虫や風の音だけ聞こえるような穏やかな湯の街が、大分にはたくさんあります。難しいことは考えず、ただただ、秋のにおいと、ひとのぬくもりを感じる旅へ出かけませんか。

東京から飛行機と車で約4時間半。最初に訪れたのは、大分県竹田市にある草木染めのお店「一灯座(いっとうざ)」。ここでは、竹田市の名産である「サフラン」のハンカチ染めが体験できます。サフランと言えば黄色のイメージがありますが、サフランの「めしべ」ではなく「花びら」を使用するため、写真のようなやさしいグリーンに染まるとのこと。

一灯座の店主である伊都(いつ)さんは、60歳からサフラン染めを始め、体験に訪れるひととの出会いや、染め上がりを見て喜ぶひとの姿を見ることが楽しみだそう。初対面とは思えないほどに、リラックスしてお話ができる、やさしい笑顔の店主さんです。

染め上がりのハンカチに模様を作るために、小石を詰めたり、竹の棒ではさんだりして自由に折り目をつけます。模様作りのコツは、「考えないこと」。その方が面白い模様ができて、完成を広げて見るときの楽しみが増すとのこと。

模様作り完成。作り手の個性が光る出来栄えに。最近は体験に訪れる人に学生などの若者や、サラリーマンなども多く、人それぞれ模様作りの方法がバラバラで、それがサフラン染めの魅力の1つとのこと。

模様作りが終わると、いよいよ染めの作業にうつります。グリーンに染めたい部分はサフランで、黄色に染めたい部分はマリーゴールドで、自由に染めていきます。色を定着させるために使用する「媒染液」によって、仕上がりの色も変わるため、研究を重ねたそう。

サフラン染めのハンカチが完成!ハンカチを広げる時のワクワク感はやみつきになりそう。左側が小石詰めバージョン、右側が竹の棒バージョン。グリーンと黄色のグラデーションが、伊都さんのおひと柄に似てやさしい色でした。

次に訪れたのは、阿蘇くじゅう国立公園の大自然を見渡せる宿、「久住温泉 久住高原コテージ」。澄み切った空気と、揺れる緑の中に融け合うように建設された、木のぬくもりがやさしいお宿です。

日帰り客にも人気の露天風呂からは、久住高原の大自然と阿蘇五岳(あそごたけ)が一望できます。夜になると、5分に1度流れ星が流れるという星空も楽しめるとのこと。ぬるっとした炭酸の温泉は美容にも良く、日常を忘れさせる、贅沢な時間を堪能できます。

お風呂上りに、久住高原コテージから歩いてすぐの「くじゅう水泉郷地ビール村」へ。無ろ過・非加熱の「超生」BeerOh!(ビールオウ)をいただきました。高原を吹き抜ける風の中で飲み干すビールは、言うまでもなく格別!

すすきが混じって、秋めいてきた高原の中のベンチで一休み。普段は思い出さないような、子どもの頃の話に花が咲きました。どこか懐かしい、久住高原の自然に抱かれたからかもしれません。

次に向かったのは、大分県日田市にある、創業40年を超える人気の日田焼きそばの老舗「天龍」。少し遅めのお昼に、日田市名物の日田焼きそばをいただきます。

日田焼きそばの特徴は、油を多めにして、鉄板の一部が焦げるほどパリパリに焼くこと。麺のパリパリ感、もやしのシャキシャキ感を出すために絶妙な焼き加減が必要で、注文が入ってから焼くため、大量にできないそう。 。

こちらができたての日田焼きそば(650円)。今まで味わったことのないパリパリの食感に、終始はしが止まりませんでした。県外からもお客さんが訪れるというひと気ぶりにも、納得。

日田焼きそばに続き、人気第2位の「しいたけ焼きそば」もいただきました。2日間煮込んだ甘いしいたけと、卵の黄身が、パリパリの麺をまろやかにしていて、これまた絶品。現在は新たに野菜ラーメンを考案中とのこと。お客さんを喜ばせるために工夫を惜しまないご主人の努力が、「天龍」が愛される理由の1つなのだと分かりました。

この日宿泊したのは、その歴史の古さから、別府・湯布院に並ぶ大分の三大温泉の1つと言われる天ヶ瀬(あまがせ)温泉の宿、「山荘 天水(てんすい)」。渓流沿いの樹木が生い茂る広大な敷地に、自然と融け合うように佇む風情あふれるお宿です。女性露天風呂から臨める「桜滝」は圧巻で、ゆっくりとお湯に浸かりながら滝の流れに耳を澄ませると、秋の足音が聞こえたような気がしました。

湯上りにいただいたのは、松茸や鱧(ハモ)をはじめとする、食材・盛り付け共に秋を感じる天水の創作会席。どれもほっぺたが落ちる繊細な味わいで、水の音が微かに聞こえる中、贅沢な時間を満喫しました。

翌朝、昨晩とは別の露天風呂で目覚めの湯を堪能。夜には見えなかった山の樹木の木漏れ日を浴びながら、非日常空間だった「山荘 天水」を後に。

訪れたのは、国の重要無形文化財にも指定される日田市の名産品・小鹿田焼(おんたやき)の店「小鹿田焼のさとう」。小鹿田焼に魅せられて40年以上の奥様が営む老舗です。

小鹿田焼は日田市北部の山峡にある皿山地区で、300年以上もの間、伝統的な技法を守り作られている陶器です。窯元が10軒と少ないため、大量に作ることが難しく、ネット販売が普及する今では、大皿を手に入れることが困難なほど人気があるとのこと。

小鹿田焼の代表的な技法として、「はけめ」や「飛びかんな」があります。伝統的な模様であるにも関わらず、モダンな味わいもあり、今のひとに人気があるのも納得。

「小鹿田焼のさとう」を営む奥様は、窯開きの朝は4時に起きて窯元に走るほど、小鹿田焼に魅了されている1人。これからも、小鹿田焼の魅力を多くのひとに知ってもらうために、お店を続けていきたいと語ってくれました。

中津市に入り、お昼に訪れたのは、中津の名産である鱧(ハモ)料理で人気の「割烹 丸清(まるきよ)」。

店内の水槽には、なんと本物の鱧が!初めて見る生きている鱧は、想像より迫力満点。

いただいた「鱧ミニ膳」は、鱧の湯引き、天ぷら、お吸い物と、鱧づくし。丁寧に骨切りされた鱧は食感がやさしく、甘みがあり、どれも絶品!見た目によらず、鱧料理は美味であることが発覚。

お腹も満たされ、次に訪れたのは、中津市を代表する山・八面山(はちめんざん)の麓に佇む「八面山金色(かないろ)温泉 こがね山荘」。日帰り温泉として地元のひとにも愛される、男女合わせて9つの露天風呂が楽しめる温泉館。日帰り客も利用できる貸切風呂(写真は釜風呂)は、半露天の庭を眺めながらゆっくりとくつろげる空間。

こちらは貸切風呂・石風呂。単純アルカリ性のお湯は、さらっと肌に心地よく、秋になると庭の色づく木々も楽しめるとのこと。湯上がりには、館内の茶屋で中津名産のからあげも味わえます。

この旅の最後に訪れたのは、真心とアイディアのつまった和菓子が楽しめる「桃屋・甚兵衛(ももや・じんべえ)」。

お店の創業から今に至って愛されている「びったれ餅」は、もち米の強い粘り気と、隠し味のしょうゆが効いた中津の名菓子。「びったれ」とは、北九州の方言で「汚い、だらしない」という意味で、怠け者にはできぬ、手間暇かかった製法過程からその名が付いたそう。

店の奥で、中庭を眺めながら一休みできる長椅子に腰掛け、「びったれ餅」の他、ひと気の「生麩まんじゅう」などをいただきました。店を訪れたお客さんには、サービスのお茶とお菓子をもてなすというやさしい甚兵衛(じんべえ)の奥様。今回の旅では、そんな大分のひとのぬくもりにたくさん出会うことができました。

今回訪れた場所
  【大分県竹田市】
一灯座(いっとうざ)
住所:大分県竹田市大字会々2250番地の1
    【大分県竹田市】
久住温泉 久住高原コテージ
住所:大分県竹田市久住町大字白丹7571-23
    【大分県竹田市】
くじゅう水泉郷地ビール村
住所:大分県竹田市久住町大字白丹7575-1
 
  【大分県日田市】
天龍
住所:大分県日田市田島2-7-6
    【大分県日田市】
天ヶ瀬温泉 山荘 天水
住所:大分県日田市天瀬町桜竹601
    【大分県日田市】
小鹿田焼 さとう
住所:大分県日田市中ノ島町168-2
 
  【大分県中津市】
割烹 丸清
住所:大分県中津市東本町2番地の12
    【大分県中津市】
八面山金色温泉 こがね山荘
住所:大分県中津市三光田口金色584-1
    【大分県中津市】
桃屋・甚兵衛
住所:大分県中津市金谷2594