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楽天トラベルトップ > FINDING JAPAN & ME ココロが動く、を探しに行こう > #06 ときを紡ぐ、想いを紡ぐ、「手仕事」のものがたり

FINDING JAPAN & ME  ココロが動く、を探しに行こう

本当においしいもの、本当に素敵なもの、本当に訪れたい場所は、
その土地の人が知っています。
だからこそ、わざわざその土地に行く価値があるのかもしれません。
今回は、福島を愛する人が、福島の誇りにかけておすすめする「手仕事」をめぐる旅。
今も昔も、変わらない、そして、きっとこれからも。守りたい風景が、ここにあります。
photo by Takaaki Koshiba , realization & text by Yukiko Hirano

#06 ひとの手でひとつ、ひとつ。
ときを紡ぐ、想いを紡ぐ、「手仕事」のものがたり

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今回は、福島を愛する人が、福島の誇りにかけておすすめする「手仕事」をめぐる旅。ものがたりのはじまりです。

会津若松より車で約1時間。あたりは一面の雪景色。白い雪に赤い橋のコントラストが美しく。

まず訪れたのは、三島町の生活工芸館。ここで国指定伝統工芸品・奥会津編み組細工の体験をすることができます。奥会津編み組細工は、冬の間、農作業を終えた人々が自らの手で、米研ぎザルや雪踏み俵など、自分たちが使う生活道具を作っていたのがはじまり。山ブドウ、ヒロロ、マタタビといった、地元で収穫した自然の素材を利用して、カバンやカゴを作っています。

地元の方が山ブドウ細工のカバンを製作中。山ブドウの皮はとても丈夫なので、昔は山仕事の道具入れに用いられていたそう。使えば使うほどに艶がでてなじんできて、永く愛用できます。

編み方も様々。皮が硬いので水にぬらしながらひとつ一つ編んでいきます。

私もヒロロ縄作りに挑戦!地元の方にコツを教えてもらいながら、手のひらをすり合わせて…

ようやく完成!実際の体験メニューでは、ヒロロの縄を使ってコースターが作れます。

人気のカバンやザル。毎年6月に展示即売があり、全国から人が集まるそう。

続いて、三島町の隣、昭和村のからむし工芸博物館へ。昭和村では約600年も昔から「からむし」という植物繊維で手作りの糸を作り続けていて、その歴史やからむし織について知ることができます。

取り出された繊維はしなやかではっとするほどの美しさ。からむし織はすべてが手作業。とくにからむしの繊維を爪で裂き、撚りながら繋ぐ「苧績み(おうみ)」は根気のいる作業で、帯一本分の糸を編むのに約2ヶ月かかります。

からむし織は、水を羽織ったような涼しさと言われるほど通気性、吸湿性に優れ、軽くて丈夫。とくに上質なものは「上納布」「上布」と呼ばれています。

代々続いてきたこの伝統の技を守るため、全国から人材を募集して育成する「織姫制度」を開始。雪降り積もる山里に響く「パタン、パタン」という、織姫がからむしを織るはた音。「残したい日本の音風景100選」に選ばれました。

私も織姫になった気分で機(はた)織り体験!織姫交流館で体験することができます。

右、左の順番で足を踏み替えながら、ひとつ一つ。

織目を揃えるのには熟練の技がいるそう。少し不揃いですが、世界で一つのコースターが完成しました!

織姫交流館の隣の郷土食伝承館へ。ここでは地元産の野菜などを使った、昔ながらの手作りの味を楽しめます。こちらは郷土料理の「ばんでい餅」。

知る人ぞ知る、八町温泉共同浴場へ。

細い雪道を滑らないように一歩一歩慎重に降り、いざ川沿いにある湯小屋へ。

中は混浴風呂。「男子」と「女子」、別々の脱衣所があります。

湯口が2つあり、異なる源泉が流れ込んでいます。身体もぽかぽか温まります。

雪かきをしていたおばあちゃんの笑顔。

雪かきを終えて、家に戻っていきました。

途中、道の駅へ立ち寄ります。

外には干された大根がたくさん並んでいました。

道の駅で見つけた、天然炭酸100%の炭酸水「aQaizu(アクアイズ)」。奥会津の天然の炭酸泉をボトリングしたもので、ほのかな炭酸がおいしい。

雪山に囲まれた会津地方、北塩原村大塩へ。塩分を含んだ大塩裏磐梯温泉水を煮詰めて作る山塩作りを見学することができます。昔ながらの薪窯で煮詰めるという製法で山塩作りを続けています。

温泉水を3回に分けてぐつぐつ煮詰めることで、真っ白な塩が完成します。

機械ではなく手仕事で行っているため、1日の生産量はわずか7〜8kg。ほのかにしょっぱく、やさしい味の山塩。素材の風味が分かりやすいと、料理人も注目しているそう。

「効率は悪いですが、自分たちで生産できる技術を繋げていきたい」会津山塩企業組合の皆さん。

会津山塩を使った「会津山塩ラーメン」。やさしい塩味がおいしい。

氷結した桧原湖では、テントを張ってワカサギ釣りを楽しむ人も。

徳川将軍家にも献上し、東北の諸大名を虜にしたという、玉嶋屋の「二本松羊羹」。名物「玉羊羹」が誕生したのは、昭和12年。県知事や軍から持ち運べるように作って欲しいと言われ、ゴムに入れた羊羹を発案、戦後大ヒットとなりました。

当時と変わらない、樹齢23年の楢薪(ならまき)を燃料としてあんを練る製法で、水分がしっかり飛ぶことから、あっさりとした甘さと日持ちがいいのが特徴。

倉庫に積み上げられた大量の楢薪(ならまき)。楢は杉や松よりも火力が強いそう。

大きな鍋を使ってあんを練り上げます。先人が苦労して作っていた味を守り続けています。

今回訪れた、福島の手仕事をめぐる旅。実際に体験したり見学することで、あらためて手仕事の大変さと、そこに込められた想いを感じることができました。ものがたりは、これからも続いていきます。

今回訪れた場所
  【福島県会津三島町】
三島町生活工芸館
住所:福島県大沼郡三島町大字名入字諏訪ノ上395
    【福島県昭和村】
奥会津昭和村からむし織の里
住所:福島県大沼郡昭和村大字佐倉上ノ原
    【福島県金山町】
八町温泉共同浴場
住所:福島県大沼郡金山町大字八町字居平
 
  【福島県北塩原村】
会津山塩企業組合
住所:福島県耶麻郡北塩原村大字大潮字立岩6106
    【福島県北塩原村】
桧原宿 Sio-YA
住所:福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字う畑沢1034-1
    【福島県二本松市】
玉嶋屋
住所:福島県二本松市本町1-88
 
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