楽天グループ関連
補助メニュー
主なカテゴリー

サブカテゴリー

楽天トラベルトップ > FINDING JAPAN & ME ココロが動く、を探しに行こう > #18 おいしさのヒミツは山にありました。知る人ぞ知る“かきの聖地”へ

FINDING JAPAN & ME  ココロが動く、を探しに行こう

旅の「おいしい思い出」は、誰もに、笑顔と幸福感をもたらしてくれる。
羽田空港からわずか1時間ほどの石川県能登は、知る人ぞ知る“かきの聖地”。
おいしいかきには、きれいな海と、その海を豊かにするきれいな“山”が必要。
地元の人々が手入れすることで守られている、能登の豊かな里山と里海が育んだ本場の旨みを味わいに、あなたも能登を訪れてみませんか。
photo by Nobuyuki Kobayashi , realization & text by Rika Hiro

#18 おいしさのヒミツは山にありました。知る人ぞ知る“かきの聖地”へ

旅行記風メールマガジンはこちら⇒

おいしい海の幸を育む里海。その自然を守り続ける“縁の下の力持ち”は、すぐ側にある里山でした。放ったらかすのではなく、人が手入れをすることで山は豊かになり、その恵みがまた人の暮らしを豊かにする。人と、里山と、里海とをつなぐ“正しい自然のサイクル”がめぐる石川県能登へ、お腹もココロも満たされる、グルメ旅に出かけませんか。

羽田空港からわずか1時間ほどで到着した能登空港。のんびりとした景色を眺めながら車を走らせると、「ボラ待ちやぐら」を発見!ボラの群れが網に入ったところを、やぐらの上で待ち構えている漁師がたぐり上げるという、日本最古の漁法を再現したもの。世界農業遺産にも認定された、能登の里山里海の景観の代表例の1つ。

さらに車を走らせること約20分。能登の美しい里山の景観として知られる、春蘭の里に到着。

能登では、天日で稲穂を干す「はざ干し(天日干し)」などの伝統的な農林風景が今も見られ、地元の人の手によって、山の生物資源を守る取り組みも行われています。例えば、山に水分を蓄える“落葉樹”が豊富であるのも、手入れの行き届いた能登の里山ならではの特徴。

森の葉は朽ちて扶養土となり、そこに雨が降ると、プランクトンの元となる“鉄分”が川を伝って海に流れ出します。こうして、プランクトンを餌とする海の生物が育まれ、旨みが凝縮したおいしい海鮮となります。その代表的な海の幸が、「能登かき」です。

訪れたのは、獲れたての能登かきを破格でお腹いっぱい食べられる、「かき処 海」。毎朝、朝日がのぼるのと同時に繰り出すという「かき漁」に、今回特別に同行させてもらえることに。

お店のすぐ裏に面した熊木川から船に乗り込み、かき棚がある七尾湾へいざ出航!

かき処 海の社長であり、漁師でもある山下さんは、能登生まれの能登育ち。父親も漁師だったため、小さい頃からかき漁に同行していたそう。長年の経験を物語るその眼差しは真剣で、一方、どこか能登の内海に似た穏やかさも含んでいます。

10分ほどでかき棚に到着。海底に沈んでいるかき棚のロープを、専用のクレーンで引き上げて、かき漁開始!ロープと一緒に能登かきがどんどん巻き上げられて行きます。

あっという間に、能登かきでカゴが一杯に!かきにとって餌となるプランクトンが豊富な七尾湾では、早いもので1年でかきの出荷が可能だそう。その分“身入り”のしっかりした能登かきは、凝縮された旨みが特徴で、かき通をうならせる本場の味。

お店に戻ると、奥の作業場に集まった職人のみなさんの手によって、先ほど水揚げしたばかりの能登かきの殻むき作業がスタート。

つるんと素早くかきの身を取り出す手つきは、まさに熟練の技!中には、かきの殻むきを始めて30年以上という大ベテランの方も。

殻付のままのかきも、1度よく洗われてこの通りきれいに。いよいよ、能登かきを実際にいただきます。大胆にも、バケツ一杯に積まれた能登かきが登場!

獲れたばかりの新鮮なかきだからこそ、素材そのままのおいしさを楽しめる炭火焼きが王道!しかも、10個で1,000円という、都内では考えられないコストパフォーマンス!

シンプルな炭火焼きも絶品ですが、こちらの「かきどんぶり(700円)」もおすすめ!甘辛く煮た能登かきと、下に敷かれたレタス、さらにほくほくのご飯との相性は抜群。他では味わえないおいしさです。

寒い冬には、能登かきのコクがみそベースのスープに溶け出した、やさしい味付けの「かき鍋」もおすすめ。

様々なかき料理がテーブル一杯に並んだところで、ビール片手に乾杯!みんなで囲む能登かきのフルコースは、言葉ではあらわせない幸せなおいしさでした。

この日宿泊したのは、七尾湾に隣接し、海と融け合うように佇む「和倉温泉 多田屋」。竿を客室に持ち込み、釣りを楽しむ常連客がいるほど、海がすぐ側に。客室備え付の露天風呂からは、能登の里山里海が一体となった大パノラマが広がります。

遠くに臨むかき棚を眺めながら、波の音と潮の匂いにつつまれるゆっくりとした時間は、ぜいたくそのもの。

翌日最初に訪れたのは、新鮮な能登の地魚を中心に、日本海の旬の魚介が取り揃えられた「能登食祭市場」。

カニ・ブリなどの王道の海鮮はもちろん、能登かき・のどぐろ・はちめなどの能登ならではの海の幸を目当てに、多くの人で賑わいます。購入した鮮魚は、「浜焼きコーナー」でその場でいただくことも可能。

次に訪れたのは、小さなお土産屋さんが軒を連ね、ぶらりと散策するのにぴったりの「一本杉通り」。見る観光ではなくふれあう観光をコンセプトとするこの通りには、「語り部処」マークのあるお店で、お店のご主人、女将さんなどからお店について、能登についての耳寄り情報を教えてもらえます。

最初に立ち寄ったのは、和ろうそくを作り始めて約120年の「高澤ろうそく店」。人気の花絵ろうそくは、真っ白ではない黄色味がかった植物性のろうそくに、手描きの模様が描かれた温かみのある一品。若者向けのモダンな新作ろうそくも数多く取り揃えられており、見ているだけでやさしい気持ちに。

お店に足を踏み入れたとたん、ふわりと大豆の香りが漂う「鳥居醤油店」。能登産の大豆を使用し、丁寧な手仕事でつくられる醤油は、今まで口にした醤油の中で1番のおいしさでした。小瓶に入ったかわいいお醤油ケータイや、蔵の中を案内してもらえる特典など、魅力たっぷり。

昔ながらの手削りこんぶのお店「しら井」の新商品、「能登の食べる海藻図鑑」は、天然のわかめを「くき」と「めかぶ」部分も含めてまるごと楽しめる一品。「最近、食用加工前のわかめの形を知る子供が、少なくなった」と語る女将さんがすすめてくれたアイディア商品。自然と共に暮らす能登の人の知恵を学びました。

一本杉通りも終わりにさしかかる頃に見つけた「花嫁のれん館」。七尾では、嫁入りの際に、花婿の家の仏間の入り口に「花嫁のれん」が掛けられ、「その家の人間になる」という意味をこめて、花嫁がのれんをくぐるしきたりがあるそう。春には、数百枚もの花嫁のれんが一本杉通りの商家・民家の屋内展示されるお祭りも。美しく連なる花嫁のれんを見に、またここを訪れたいと思いました。

一本杉通りを後にし、次に訪れたのは、能登の食材を使用した絶品ジェラートで知られる「マルガージェラート」。

中でも気になったのは、なんと本物の能登かきの“身”が入った「かきジェラート(315円)」。恐る恐る口にすると、確かに絶品。かきの生臭さを消すヒミツがあるそうで、創業時からの人気商品とのこと。その他、かぼちゃ・さつまいも・いちじくなど、バラエティー豊かなジェラートがたくさん!

この旅の最後に訪れたのは、生ワインとして数々の賞に輝く「能登ワイン」のワイナリー。「熟成することで味に深みが出るのが、生ワインの醍醐味」と語る、営業課長の川端さんのワインへの情熱は本物。ワイナリーの見学を終えた後の試飲タイムは、至福のひととき。品種ごとに全く違う魅力をみせる能登ワインに、取材班の全員が虜に。

ちょうどぶどうを収穫した後だという、ぶどう畑に出てみると、土の上に撒かれた白い物体を発見。

その正体は、能登かきの“殻”!能登かきの殻は、ミネラルが豊富で除菌効果もあるため、ワインに使用するぶどうの畑の土壌づくりに最適だそう。人と自然がおいしいサイクルを育む石川県能登。能登の豊かな自然が生み出す「能登かき」を味わいに、あなたも能登へ訪れてみませんか。

 

今回訪れた場所
  【石川県能登町】
春蘭の里
住所:石川県鳳珠郡能登町宮地
    【石川県七尾市】
かき処 海
住所:石川県七尾市中島町浜田ツ-21
    【石川県七尾市】
和倉温泉 多田屋
住所:石川県七尾市奥原町3-29
 
  【石川県七尾市】
能登食祭市場
住所:石川県七尾市府中町員外13-1
    【石川県七尾市】
一本杉通り
住所:石川県七尾市一本杉町
    【石川県能登町】
マルガージェラート
住所:石川県鳳珠郡能登町瑞穂163-1
 
  【石川県穴水町】
能登ワイン
住所:石川県鳳珠郡穴水町旭ヶ丘り5-1