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三重県南部に広がる東紀州。伊勢と熊野三山を結ぶこの地は、古くから旅人に愛された場所でもあります。その象徴といえるのが、熊野古道伊勢路。今もなお残る石畳の小径は、かつて巡礼の人々が歩いた時のまま。大自然に恵まれたこのエリアでは、海山のグルメも見逃せません。世界遺産の地を巡り、郷土の味を堪能する、東紀州の旅へ出かけてみませんか。
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国道42号線沿いにあり、三角形のトンガリ屋根が印象的な「道の駅 紀伊長島マンボウ」。館内には海の幸を中心にした郷土自慢の品々がぎっしり。
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紀北町の魚でもあるマンボウの手作りアクセサリーを発見。週末は屋外の屋台でマンボウの串焼きを販売しているそう。
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お昼ごはんにいただいたのは、さんま寿司。東紀州の名物ですが、魚の開き方や味付けなどが地域によって変わるのだとか。
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食後のデザートを求めて、同じ町内にある「卵卵ふわぁ~む」へ。直営農場から届く新鮮な卵を使ったスイーツが評判のお店です。
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オーダー後にクリームを入れる卵卵シューが一番人気。濃厚だけど軽やかなカスタードクリームと、サックサクの生地がベストマッチ! ほかにもプリンやロールケーキなど魅力的な商品がたくさんありました。
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紀勢自動車道と熊野尾鷲道路を利用して、熊野市にある「花の窟」へ。世界遺産にも登録されているパワースポットです。
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参道の突き当りにそそり立つ、巨大な岩がご神体。その頂上から170mの綱を渡す神事が受け継がれており、今も年に2回執り行われています。
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お参りの後は隣接する「お綱茶屋」でひと休み。軽食や地元の特産品がずらりと並びます。緋毛氈を敷いた縁台で、焼きたてのみたらし団子をパクリ。
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お団子に入っていたのが、花の窟神社に奉納されるいざなみ米。古代米の風味豊かな味わいが噛むほどに口へ広がりました。
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目の前の国道を渡ると、そこは七里御浜。ゆるやかに弧を描く美しい海岸が、20km以上も続きます。熊野古道伊勢路の一部として、かつては巡礼の人々が歩いたそう。
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広い海岸を埋め尽くすのは、丸みを帯びた小さな石。寄せては返す波の動きに合わせて、玉石がこすれ合う心地よい音が響き渡ります。
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宿泊したのは「入鹿温泉ホテル瀞流荘」。露天風呂では、折り重なる山の稜線が目を楽しませてくれました。
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夕食のお料理は、地元の食材を使ったものが中心。熊野牛の串焼きには尾鷲の塩が添えられており、デザートには新種のかんきつ「新姫」の羊羹が。
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三重ブランド認定の熊野地鶏は、オリジナルの薬膳鍋で。鶏肉はプリンと弾力があり、旨みたっぷり。そのエキスが溶け出したスープで作るラーメンがまた美味!
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フロントで見つけたのが、湯めぐり手形。これは宿のお風呂と湯ノ口温泉の入浴、宿からそこまでを結ぶトロッコ電車の乗車が1日何度でも利用できるもの。ヒノキ製なのでお風呂に浮かべると良い香りが。
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翌朝、トロッコ電車に乗って湯ノ口温泉へ。鉱山で使われていた電車はとても小さく、レトロな雰囲気。
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湯ノ口温泉には男女別の内湯と露天風呂があり、いずれも源泉から引いたお湯を加水・加温せずかけ流しに。寝湯や立湯など浴槽もバラエティー豊かで、良質な温泉をじっくりと堪能できます。
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チェックアウト後に向かったのは、馬越峠。標高は325m、熊野古道伊勢路の中でも人気があるルートを、ゆっくりと歩き始めます。
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人気の高い理由のひとつが、石畳の美しさ。びっしりと石が敷き詰められた小径が上へ上へと続いていきます。
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上り始めてしばらくすると、道端にお地蔵様が。長年、道行く旅人を見守ってきた小さな姿に手を合わせるひととき。
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石畳の道が続くのは、美しいヒノキ林の中。見上げると、どの木々も空に向かって真っすぐ伸びています。時折、びっくりするほど幹が太い古木を見かけることも。
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道中には標識があり、どの程度歩いたかを知る目安になるのが嬉しい。
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途中で出会った男性は地元在住で、健康のために毎日この道を歩いているそう。石畳を歩くコツや峠の歴史を親切に教えてくれました。
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終点の馬越公園に到着。尾鷲市街地を眺めながら、一息いれます。肌を撫でる爽やかな風が、とっても心地いい。
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旅の最後に訪れたのが「夢古道おわせ」。まずは海洋深層水のお風呂で、峠越えの疲れを癒やします。この露天風呂にはアルカリ性と酸性のお湯が!
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お風呂から出たら、お昼ごはん。食事処は、郷土料理が堪能できる「お母ちゃんのランチバイキング」。3地域のグループが、週替りで調理を担当しています。
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お皿の中の減り具合をチェックしながら、出来たてを次々に補充。旬の地元食材を使った料理はどれも素朴で、しみじみとおいしい。
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隣接するショップには、採れたての野菜あり、ヒノキの木工品あり。尾鷲ならではのおみやげがたくさん揃っていました。
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海洋深層水から作り出した塩製品や調味料も尾鷲の特産品。自宅で使うたびに楽しかった旅の思い出が蘇る……。そんなおみやげも素敵かもしれません。