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旧海軍の港町「呉」、江戸の町並み残る「竹原」、白壁続く酒の町「東広島」。その土地の人、歴史と向き合いながら、3つの趣き異なる都市を巡る大人旅へ。
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旅の最初に訪れたのは、旧海軍の港町・広島県呉市にある「大和波止場公園」。史上最大の戦艦「大和」の前甲板をイメージした開放的な公園で、呉港の造船所や行き交う様々な船を見ることができます。
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戦艦「大和」の“主錨”を再現したオブジェ。その巨大さに圧倒されます。その他、公園内には大和の司令塔・艦橋・船首なども再現されており、旧海軍時代の呉の繁栄を肌で感じることができます。
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大和波止場公園から歩いてすぐの場所に、海上自衛隊が運営する無料広報施設「てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)」があります。実際に使用されていた巨大潜水艦「あきしお」の実物展示がとても印象的。
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外観で圧倒的存在感を放っていた潜水艦「あきしお」は、実際に内部を見学することができます。四方八方機械の入り組んだ操舵室は、女子でも胸が高鳴る異空間。
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「てつのくじら館」には、常時セーラー服をまとった現役の海上自衛隊員が駐在しており、展示物や海上自衛隊について気兼ねなく尋ねることができます。毎週日曜には、実際に任務に当たっている海上自衛隊艦艇の一般公開も行われています。
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記念に、正しい敬礼の仕方を伝授いただきました。同じ自衛隊員でも、空・陸・海と所属部隊によって敬礼の形が異なるそうで、特に潜水艦所属の隊員は敬礼時の腕の曲がり角度が狭いことから、すぐに“潜水艦乗り”だと分かるのだそう。
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「てつのくじら館」を後に、次に訪れたのは碇(いかり)マークの看板が目印のカフェ「昴珈琲(スバルコーヒー)店 1959店」。
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店内は、カラフルなパッケージ袋に煎りたての焙煎豆を閉じ込めた「フレッシュバッグ」がずらりと並び、ポップな雰囲気。お土産にも最適です。
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2階の落ち着いたソファ席に腰掛け、その昔、戦艦大和の乗組員が戦場で飲んだ珈琲の味を再現したという、「海軍さんの珈琲」をいただきました。いつ何が起きてもおかしくない極限の状態で、旧海軍隊員が「おいしい」と言ったその珈琲は、大地の香りと強い苦味の奥に深いコクを感じる、奥深い味わいでした。
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次に訪れたのは、呉の歴史伝承施設を園内に複数保有する「入船山公園」。一帯の赤レンガの歩道には彫刻やオブジェが点在し、「美術館通り」と呼ばれています。
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入船山公園内に入ると、旧呉海軍工廠(こうしょう)造機部屋上に設置されていた時計塔など、旧海軍にまつわるスポットが多くあり、タイムトラベルするような感覚で散歩が楽しめます。
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国の重要文化財に指定される「旧呉鎮守府(ちんじゅふ)司令長官官舎」は、東西で洋館部と和館部に別れた珍しい造りの木造平屋。
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建物内には、最高級壁紙“金唐紙(きんからかみ)”を使用した豪華絢爛な客室の他、美しい中庭などの乙女心くすぐられる見所が満載です。
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日も暮れ、夕食を求めて訪れたのは、こじんまりとした屋台が立ち並ぶ「蔵本通り(通称:屋台通り)」。縁起の良い“のれん”に惹かれ、この日立ち寄った屋台は「富士さん」。
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だし汁がしっかりと染み込んだ「おでん」と、富士さんの人気メニュー「ホルモン焼そば」を注文。もちろん、主役の生ビールも忘れずに。
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カウンター越しのご主人との会話や、途中入店してきた常連さんとの“呉トーク”に花を咲かせながら、屋台で過ごすほろ酔いの夜がゆっくりとふけて行きました。
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翌朝。呉市を後にし訪れたのは、“安芸の小京都”と呼ばれる古い町並みが残る「竹原町並み保存地区」。
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通りの町家一軒一軒に、工夫が凝らされた格子やかわいい竹細工が見られ、町歩きを一層楽しませてくれます。
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味わい深い木造3階建ての「日の丸写真館」は、竹原市を舞台にした人気アニメ「たまゆら」にも頻繁に登場する人気スポット。
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「竹原町並み保存地区」の奥にある、伝統的な竹工芸品の展示・販売を行う「竹原まちなみ竹工房」を訪れました。
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「竹原まちなみ竹工房」では竹細工体験も可能で、この日は“花かご”作りに挑戦。薄い竹に水を霧吹きながらかごを編んで行きます。
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工房を営む、竹原市竹工芸振興協会会員の方の指導の元、丁寧に編み上げます。一見折れてしまいそうな竹の皮ですが、非常に薄くしてあるため意外に丈夫です。
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約30分ほどで“花かご”が完成!中に花瓶を入れ、花を生けて使います。竹原の思い出がつまったお土産が出来ました。
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昼食に訪れたのは、約200年前の蔵を利用したレトロな店構えに、思わず足が止まるお好み焼屋「ほり川」。
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この日は平日だったにも関わらず、店内は地元・市外の常連客で大繁盛。若い2代目ご主人が手際よく次々とお好み焼を焼いて行きます。
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この日は、酒造で栄えた竹原の町らしい、“酒粕”が生地に練りこまれた「純米吟醸たけはら焼」を注文。通常の生地よりももったりと食べ応えがあり、満腹になりました。
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竹原市を後に、この旅最後に訪れたのは、東広島市の銘醸地として知られる「西条酒蔵通り」。通りの所々に、酒米(さかまい)を蒸す工程に使われていた、各蔵元の名前が入った赤レンガの煙突がそびえ立ちます。
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足元を見れば、至る所に“酒の町”ならではの図柄がかわいいマンホールが。
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各酒蔵の前には、お酒の仕込み水を無料で提供する井戸があります。名酒を仕込むためのおいしいお水なので、地元の人がタンクをいくつも抱えて汲みにやって来ます。
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一休みしに訪れたのは、昭和の時代、芝居小屋の入口だった通称“くぐり門”を改装して営業する喫茶「くぐり門珈琲店」。
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注文したのは、一番人気の「酒粕チーズトースト」。同じ発酵食品なので酒粕とチーズの相性は抜群。一番上にまぶされた砂糖が甘塩っぱい味わいに仕上げていて、やみつきになるおいしさです。
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広い窓から柔らかな午後の光が差し込むソファ席で、本を片手に、スローなカフェ時間を満喫。
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お腹も膨れたところで、メインの酒蔵巡りへ。今回訪れたのは、西条だけでなく広島を代表する名蔵元「賀茂鶴酒造」。ここでしか販売されていない特別本醸造「賀茂鶴 蔵出し原酒」を試飲させてもらいました。
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その他、オバマ米大統領の来日時に、安倍首相がお酌したという「大吟醸・特製ゴールド賀茂鶴(純金箔入)」など、名酒が揃います。
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試飲コーナーの隣には、実際の酒造り用具の展示や酒づくり工程DVDの放映がされている“賀茂鶴見学室”があり、酒づくりについて学ぶことも出来ます。
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青い空と、なまこ壁・白壁のコントラストが美しい「西条酒蔵通り」を後に、この旅で出会った人と歴史に想いを馳せながら、また広島の地を訪れたいと感じました。
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